入院中なのに,あるいは刑務所に入っていたのに,運転免許が失効するのはひどいじゃないかと思う方もいらっしゃるでしょう。
そのような方のために,免許が失効してから6カ月を経過していない場合,更新しなかった理由は関係なく,講習を受けることにより,技能試験と学科試験を免除してもらえるという制度になっています(道路交通法97条の2 1項3号)。また,免許が失効してから3年を経過していない場合,病気や刑務所に入っていたというような場合(道路交通法施行令34条の3第3項,同33条の6の2)のみ,その状態が終了した時から1カ月以内であれば,講習を受けることにより,技能試験と学科試験を免除してもらえるという制度になっています(道路交通法97条の2 1項3号)。
さらに,免許が失効してから6カ月を超え1年を経過していない場合,更新しなかった理由は関係なく,仮免許の技能試験と学科試験が免除されるという制度になっています(道路交通法97条の2 1項4号)。
なお,懲役10年というような受刑者の場合は,上記の法制度だけでは運転免許を最初から取り直さなければならず,受刑者の社会復帰に支障が生じてしまいます。
そこで,刑務所の方で年に1回対象者を集めて一斉に対応していると聞いています。この場合,運転免許証に記載される住所が刑務所の住所になるようです。
裁判中に免許の更新期間が到来するなら,念のため保釈等の制度を利用して,免許の更新をしておく方が安心でしょう。